生活習慣病|糖尿病・甲状腺 藤巻内科クリニック|行徳駅の内科・糖尿病内科

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生活習慣病

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生活習慣病

生活習慣病

生活習慣病は、生活習慣が原因で発症する病気の総称です。運動不足や不適切な食生活、過度な飲酒、喫煙やストレスなど、習慣や環境が深く関与し、これらが積み重なることで発症します。

日本人の三大死因は、がん、心疾患、脳血管疾患ですが、これらの危険因子となる肥満症、動脈硬化症、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などはいずれも生活習慣病とされています。生活習慣病の多くは自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行し、脳や心臓、血管などにダメージを与えていきます。その結果、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中など、命に関わる重篤な症状を引き起こすことがあります。

健康診断などの一般的な検査によって早期発見が可能です。決して安易に考えず、検査値に異常がある場合や少しでも不安を持たれた時は、お早めにご相談ください。

肥満症

肥満(BMI 25以上)は、11種類の健康障害(合併症)のうち1つ以上を伴う場合や内臓脂肪が蓄積している場合に診断され、減量治療の対象となります。特にBMIが35以上になると高度肥満症と呼ばれます。肥満は時に「自己責任」として捉えられることがありますが、これは誤りです。現代社会では、交通の発展、食品の加工技術の向上、インターネットの普及、手軽な飲食店の増加などにより、肥満に関連する健康障害が増加しています。また、個人が置かれた社会的な環境(地域や就労状況)やストレスも肥満に関連する健康障害のリスクを高める要因とされています。これらの社会環境の変化は個人の努力とは無関係であり、文明の進歩を利用すること自体は悪いことではありません。肥満には遺伝子の影響もあり、消化や代謝に関わるホルモンの分泌や腸内環境が個人によって異なります。したがって、食事や運動だけで誰もが同じように体重を管理できるわけではありません。肥満はさまざまな要因が複合的に関与しており個々の状況に応じたアプローチが必要です。

糖尿病

糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンの作用が不十分なために血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が正常範囲を超えて高くなる病気です。糖尿病は4つのタイプに分類され、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他特定の機序・疾患によるものがあります。この中では2型糖尿病が圧倒的に多く、その発症にはインスリンの分泌不足といった要因に加え、過食、肥満、運動不足、ストレスなどの生活習慣が関係しているといわれています。

糖尿病は初期症状が乏しく、目立った症状が現れることなく進行することが多い病気です。口渇(のどが渇く)、多飲(のどが渇くために水分を多く摂る)、多尿(尿の量が増える)、体重減少といった自覚症状が現れたころには、ある程度進行してしまっていることもあります。さらに、病気が進むと三大合併症と呼ばれる糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害を発症して、末期には失明したり、透析治療が必要になったりすることもあります。また、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を引き起こす可能性も高まります。そのため、早いうちから、血糖値をコントロールすることが大切なのです。
糖尿病の診断は、症状の有無、ヘモグロビンA1cの値、血糖値を総合的にみて診断していきます。

高血圧症

血圧とは心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のことで、高血圧症は、正常範囲よりも高い血圧が続く病態をいいます。
血管の内壁は本来弾力性がありますが、血圧が高い状態が続くと血管の壁に圧力が掛り、次第に厚く、硬くなります。これが高血圧による動脈硬化です。また、血管に弾力性があるときは、血圧は基準値以下に収まりますが、動脈硬化などで血流が悪くなるとそれを補うために心臓がより強い力で全身に血液を送ることで血圧が上がります。こうした悪循環が常態化してしまうのが高血圧症です。

高血圧には、他の疾患や薬剤の副作用が原因で起こる二次性高血圧と、原因のはっきりしない本態性高血圧がありますが、日本人の高血圧症の約90%が本態性高血圧といわれています。本態性高血圧は、遺伝的要因と塩分の摂り過ぎ、肥満、過度な飲酒、喫煙、運動不足、精神的なストレスなどの環境的要因が重なって発症すると考えられています。

高血圧症は自覚症状に乏しく、なかなか気づくことができませんが、そのままにしておくと、動脈硬化を生じて心不全や狭心症、心筋梗塞といった心臓血管系の病気をまねいたり、脳出血・脳梗塞の原因になったりします。症状がなくても放置しておくことは禁物です。まずは、定期的かつ決まった時間に血圧を測定してご自身の血圧を管理しましょう。継続的に行う適度な運動、食生活を中心とした生活習慣の改善が予防と治療に有効です。

高血圧の診断基準(日本高血圧学会)

  • 収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上
  • 拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上

※ご自宅で測る家庭血圧の場合は、診察室よりも5mmHg低い基準となります。

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準値から外れた状態をいいます。「悪玉コレステロール」といわれるLDLコレステロールや血液中の中性脂肪(トリグリセライド)が必要以上に増えたり、あるいは「善玉コレステロール」であるHDLコレステロールが減ったりする病態です。これらの脂質異常はいずれも、動脈硬化の促進と関連します。血液中にLDLコレステロールが増えると、血管の内壁が傷つき沈着してこぶを作り、血管が硬くなります。これが動脈硬化です。中性脂肪(トリグリセライド)も過剰になると、血管の健康が損なわれます。一方、HDLコレステロールは、色々な臓器で使いきれずに余ったコレステロールを回収し肝臓に戻す働きがあり、動脈硬化を抑える方向に作用します。つまり、動脈硬化の予防や改善にはLDLコレステロールと中性脂肪を減らし、「善玉」のHDLコレステロールを増やすことが重要になります。

脂質異常症は、それだけではとくに症状が現れることはありませんが、気がつかないうちに血管が傷つけられ、静かに動脈硬化が進行し、脳や心臓の疾患につながるおそれがあります。脂質異常症の主な原因は、食生活(肥満・カロリー過多)や過度な飲酒、喫煙、運動不足などが考えられます。

治療は通常、食事療法と運動療法からはじめます。薬物療法は、これらを行っても脂質管理の目標値が達成できなかったり、持っている危険因子が多く、動脈硬化や動脈硬化による疾患を起こすリスクが高かったりする場合に開始されます。

高尿酸血症

高尿酸血症とは、血液中の尿酸が高い状態のことです。尿酸が高いだけでは、自覚症状はありませんが、進行していくと、結晶となった尿酸が関節・足先などにたまります。そしてその部分に炎症が起こり、激痛の痛風発作が起こります。また腎臓にたまって結石ができると背中に痛みが生じ、尿管や膀胱に移行するとその部分で炎症を起こし、激痛を生じます。尿管で起こった場合は尿管結石、膀胱で起こった場合は膀胱結石といい、これらを合わせて尿路結石と言います。症状がない場合であっても、尿酸が高い状態が持続すると脳卒中、心臓病などの循環器病に至る場合もあります。

高尿酸血症や痛風・尿路結石は、男性に圧倒的に多い病気です。女性は女性ホルモンによって尿酸値がコントロールされるため、男性に比べれば少ないですが、女性ホルモンの分泌が低下する閉経後はやや増加します。
高尿酸血症の原因はプリン体を多く含む食品(レバーや魚卵、肉類、アルコールなど)の過剰摂取や肥満、遺伝的要因などが考えられます。
痛風発作は消炎鎮痛剤などの治療で、1週間~10日ほどで落ち着きますが、治療を中断してそのまま放置すると、関節炎による結節(コブのようなもの)ができたり、腎機能障害や尿路結石のリスクを高めたりします。まずは原因となる生活習慣がないかを確認し、運動習慣や食生活を改善していくことが大切です。